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(読了)読書感想文/僕は金になる 

記事内のリンクには広告を含みますが、本の感想は全て正直に楽しく書いてます。ぜひ最後までお楽しみください★

読み終わりました。

追記したので完成版として公開!
が、感想を書くとき参考にしようと、スマホにメモをとっていたのですが、
そのスマホを壊してしまい、、、

 

とりあえず暫定版として読んでいただけたら。

 

<あらすじ>

僕が小学六年生の春、両親が離婚した。家を出たギャンブル好きの父ちゃんは、将棋の天才の姉ちゃんに賭け将棋をやらせて暮らしている。父ちゃんが「ご立派」と呼ぶ母ちゃんの元に残された「普通」の僕は、非常識で破天荒で、将棋以外何にもできないくせに、楽しそうに生きる二人を軽蔑しながらも、どこか羨ましい――読む人の心を激しくゆさぶる、おかしな家族の四十年。感動の家族小説!

 

<登場人物のプロフィール>

・「僕」は自分が平凡な人間だと思っていて、ちょっと変わっているけど
将棋が得意な「姉ちゃん」にあこがれていて、姉ちゃんには将棋の世界で
活躍してほしいと思っている。

・「僕」が小学6年生のときに離婚した父ちゃんは姉ちゃんを引き取り
賭け将棋をさせてお金を稼いで暮らしている。

・姉ちゃん自身は将棋が好きで、将棋さえできれば特に生活にこだわりはなく、
「きちんとした」母ちゃんとは馬が合わないだろうという考えから、
父ちゃんと一緒に暮らしている。

 

<自分って平凡だな。と悩む人への応援本>

 

主人公の「僕」は

・自己評価がやたら低くて

・自分のことを平凡な人間と

認識しています。
ゆえに、将棋だけやたら得意な「とがった」姉をうらやましく思っています。

 

本書前半部分の「僕」を見ていると、なんだか過去の自分自身を見ているようで、
非常にもやもやしますw


私自身、就職したてのころ


超有名企業に就職した人、高年収企業に就職した人、海外赴任頑張っている人
大学のころから研究一筋で就職後も研究頑張ってる人、
あるいは現場で頑張ってる人

 

そういう人と比べて自分は平凡だな、と考え込んで、
ソウルジェムが濁ること、
ありました。
いや、今でも濁りますが、頻度は減りましたね、、、なんでだろう。老化かな、、、


この物語の「僕」も姉に嫉妬しつつあこがれつつ、
姉ちゃんの将棋の力を伸ばしてやりたいと思ったり、
生活をきちんと立て直してほしかったりして、
勝手な行動をとってしまいます。

 

でも、不思議なことに

自分は平凡だな、平凡だな、と思いながら「僕」は進学し、やがて就職し、
家族を作ります。
それにつれて、だんだんと平凡ながらも、
まわりを気遣ったりフォローしたりする目線を持つようになっていきます。
ただし「僕」自身はその変化に気が付かないようです。
そんななかで「姉ちゃん」に対する思いも少しづつ変化していきます。

 

一方、賭け将棋で生活していた「父ちゃん」と「姉ちゃん」の生活も
だんだん変化していき、やがて試練を迎えます。
そうして姉ちゃんにも少しづつ変化が現れます。
(姉ちゃんの「変化」は行動というよりは将棋の棋譜如実に表れます)

 

平凡なら平凡だっていい。「歩」は縁の下の力持ちなんだよ、
自分でも気が付かないうちに「金」に成っていたりするものだよ。

そんな前向きなメッセージを感じました。

もうちょっと宣伝チックに書くと、

自分って平凡だな。と悩む新社会人にお勧めしたい本、て感じですね。

 

他にも棋士の「戸塚プロ」や「裕一さん」が語る人生観は、
これから社会に出る人にとって、非常にためになる、かも。

 

<自慢の姉なのに自慢できない>

「僕」は「姉」のことを誇りに思っていますが、ちょっと変わった姉を
人に紹介するのに躊躇している。
結婚して妻に「義姉さんに会わせて」といわれて、躊躇したり。
「変わった姉さんとセットにされて、『変わった兄姉』とカテゴライズされたくない」
という潜在意識。

 

「平凡でさえない自分」が嫌いでありながら
「変わった人」とカテゴライズされたくない、そんな「僕」に共感しつつ、
ちょっとイライラもしつつ。

 

一方で、姉は姉で弟に対していろいろ思うところがあるようで、、、
そのあたりの二人の関係性が解きほぐれていくのも物語の魅力かなと思います。

 

<でもあんまり楽しめなかった>

この本を高校生くらいのころに読んでいたら、
他人のことを気にしすぎず、自分の歩ける道を歩いていくのも大事、だとか
すてきな本だな~、とかで終わっていたかもしれません。

 

が、それから私も年を取ってしまい、
「いい話ふう」の本を素直に読めなくなってしまいました。

 

まず賭け将棋自体が犯罪ですし、それを子にやらせる父って、、、
「父ちゃん」は飄々としたキャラクターではありますが、
結局のところ、虐待でしょ。
という気持ちが先行してしまい、楽しめないまま終わってしまいました。

 

(本文中で、賭け将棋について「僕」が「犯罪だよ」、と指摘するシーンはありましたが、「虐待」であるとは特に触れられていないまま、、、
「父ちゃん」について「悪い奴ではないんだけどね」みたいな感じで
描写されているのは、特に本書で「嫌だな」と感じたポイントでした)

 

また、あまり詳しくはネタバレになってしまうのですが、
「姉ちゃん」が貧困に陥って、「僕」がなんとか頑張って、
最終的には職を見つけてなんだかんだでふんわりと解決、という流れも、
現実はこんなにうまくいくはずないよね、とか。

 

ついついひねくれた目線で読んでしまい、あんまり乗り切れなかったです。

 

<個人的に好きなポイント>

「姉ちゃん」が爪切りするんだけど、途中で飽きて何本か残してやめるところ。
わかります。わかりすぎます。爪切りはめんどくさい。


私なんか、今日はめんどくさいから親指の爪だけ切ろう、、、という感じで
爪の長さが指ごとにバラバラです。
「姉ちゃん」よりひどいw